ごあいさつ・プロフィール

聞かせてください、理想の暮らし。

幼少期は小さな借家で育ち、何度か引っ越しを経験しました。

大学進学を機に東京へ出て、その後も、京都、愛知と拠点を移しながら暮らしてきました。

そのなかで「居を構えること」は私にとって常に憧れであり、大きな決断を伴うことだと感じています。

そんな大切な場をつくるお手伝いができることは、建築に携わるものとして大きな喜びです。

人は動き、変化していきますが、建物はそう簡単に変えることはできません。

たとえ勢いで決めたとしても、そこで生まれる空間は数十年にわたり暮らしに影響を与え続けます。

だからこそ、私たちはじっくりと時間をかけ、丁寧に建築をかたちにしていきたいと考えています。

建築の世界には、絶対的な正解や100％の答えはありません。

考え方や環境は変わっていきます。

それでも、その時々の思いを込めてつくりあげた建築は、長く愛され続けると信じています。

設計監理の仕事は建物の完成までがひと区切りですが、暮らしはそこからが始まります。

適切なメンテナンスやカスタマイズを重ねていくことが、豊かな住まいにつながります。

私たちは暮らし方そのものまでお手伝いできればと考えています。

竣工後も、家具の配置や庭の手入れ、カーテンの掛け替えといった小さなご相談にも対応しています。

久しぶりに訪ねた住宅で、お施主さまと会話を交わすひとときは、私にとって何よりの楽しみです。

諸江一紀