







周囲を住宅で囲まれたやや広い敷地において、当初は中庭型プランが求められた。中庭をつくり外に閉じると街と隔絶するだけでなく、季節によっては使われない中庭が住まいの中心を虚ろなものにするのではないかと思い悩んだ。
そこで前庭・外庭・内庭・裏庭といったストライプ状の外部的空間を内部と織り交ぜた。
前庭は変化を持たせた植栽により単なる駐車場ではなく、街にゆとりを与える。
外庭はアプローチ通路となるだけではなく、光や風を通しつつプライバシーを確保する緩衝領域となる。
内庭は屋内であるが、天窓と格子床により外部的快適さを生み出す。
そして裏庭をつくることで、敷地境界線ギリギリに建てるのではなく余裕を持たせることができ、これから長年お付き合いすることになる隣家に対して良好な環境を担保する。隣家に見守られながら小さなお子さんは安全に遊ぶことができる。
所在地 | 愛知県尾張旭市 |
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構造規模 | 木造、2階建て |
延床面積 | 168㎡ |
構造設計 | ハシゴタカ建築設計事務所 髙見澤孝志 |
キッチン | キッチンマインド |
造園 | GROUND |
施工 | ヤマシタ工務店 |
竣工 | 2015年 |
写真 | 谷川ヒロシ |
受賞 | 第27回すまいる愛知住宅賞 愛知県住宅供給公社理事長賞 |
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掲載 | 建築ジャーナル 2015年4月号 A-style 2015年8月号 architecturephoto |
尾張旭の住宅 お施主さまインタビュー
依頼するきっかけや決め手はどのようなものでしたか?
施工事例を見て、お願いしてみたいと思いました。
仕事上設計士の先生と関わることが多いのですが、設計士の方はご自分のこだわりが強いイメージがあり、私たちの希望がうまく伝わるか心配でした。
諸江さんはとても話しやすく、私たちの希望に真摯に向き合ってくださいました。
設計中の打ち合わせや提案については印象的なことはありますか。ご要望は反映されましたか?
中庭のある家を希望して、相談しました。
私たちの希望のプランをまずは見せていただき、その後、諸江さんのご提案のプランを見せていただきました。
それまで大手のハウスメーカーでプランを作成してもらうこともあったのですが、どうしても気に入るものがなかったので、とても心が動いたことを覚えています。
家が好きでいろいろな希望があり、自分でもどんな家に住みたいのかわからなくなってきたのをスッキリさせてくれました。
コストの調整の仕方はどのように感じましたか。予定金額におさまりましたか?
納まってはいませんが、納得がいくものができたと思います!
工事中の現場監理について報告、トラブル、変更などは安心できるものでしたか?
そうですね、問題ないと思います。
実際に住んでみて、住み心地や気に入っている場所、設計段階では気づかなかった良い点などあれば教えてください。
スキップフロアの住み心地を心配していましたが、階段を上がることをあまり億劫に感じない気がします。
天窓からは空や月を見ることができ、家にいながら外を感じることができます。
LDの南側の窓の前に1枚壁があることで直射日光はさほど入らず、通りからの視線を感じることもなく、開放感を感じられます。 また家に灯りがともった夜の外観が好きです。
逆に設計でこうすれば良かった点、進め方などでこうして欲しかった点があれば教えてください。
キッチンの床は汚れやすいのでフロアタイルにしてもよかったかもしれません。
子供部屋にもLANとTVの配線を入れればよかったです。
あとはガレージの幅がもう少し広い方がよかったかなと思います。
引き渡し後のアフターフォローはご満足いただけていますか?
はい、問題ありません。
当事務所の印象や特色などあれば教えてください。
いろいろな要望を真摯に検討していただき、満足のいく家になりました。
また我が家が賞を受賞し、本や新聞に載ったことはうれしい思い出です。
楽しい家づくりとなりました。
ありがとうございました!