





屋根がらせん状に渦を巻く中庭型の平屋住宅。
この形は周辺環境と内部の要求に応答してつくられた。 まず、私道からの視線を切るため中庭型とした。 南側は小高い山となっているため、影を避けるようにLDKを北寄りに配し、南側の屋根を低くして、採光と眺望を確保した。 西側は西日や隣家の視線を切るためにやや高い。 突き出た玄関ポーチは実家と斜向かいとなり、公道を含めた一体的な庭を形成する。 最も高いロフトからは北側の遠方峰山が臨める。 また、屋根勾配は敷地の傾斜に合わせている。
内部は天井が最も低いところが玄関で、躙口のように周辺環境を断ち切ることで内部の広がりを増大させる。 寝室は下の子供、上の子供、夫婦と体の大きさに応じて少しずつ天井が上がる。 そして家族が集まり、多様な活動が行われるLDKが最も天井が高い。 天井の高さはゆるやかに変化するため、それぞれの空間は分断されず、つながりながらも個別のスペースを生み出している。
個人の居場所や距離感を保ちつつも、家族がひとつ屋根の下でともに暮らしていることを感じてもらいたいと考えた。
所在地 | 愛知県蒲郡市 |
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構造規模 | 木造、平屋 |
延床面積 | 123㎡ |
構造設計 | 髙見澤孝志 |
キッチン | インターテック |
造園 | 園三 |
施工 | 木下建設名古屋支店 |
竣工 | 2011年 |
写真 | 上田宏、(一部)諸江一紀 |